セルフサポートとは病気や心身の障害、依存症、近親者の喪失などに出あった時、同じ悩みを抱える人の集まりで力を取り戻すことがある。 このセルフサポートグループという活動が最近広がりつつある。最近のNPO活動の活発化やインターネットを使った情報提供の広がりがその原動力か。 役割は、大きく分けて三つ。一つは、自分の体験を語り、他者の話を聞くことで、不安な状況に対処する知恵をもらえること。二つめは、方策や治療法などに関する最新情報を得られること。もう一つは、グループが行政に働きかけて社会を変えていく可能性である。 その背景本来は家族、地域が人と人との関わり方を教え合ったり、切磋琢磨するような機会をそれなりに与えていたのかもしれない。現在、核家族化、断絶化が進み、一方で情報革新で情報メディアがすさまじく進歩、発達している。その結果、個と個をつなぐコミュニケーションの不安は増し、確実に弱者にしわ寄せされている。 私たち、情報障害者、情報弱者にとってこの時代にセルフサポートはどのような意義があるのだろうか。幸いにも当法人では「聞こえの相談会」が実績を重ねつつ、事業の核になりつつある。これらの経験をもとに、「聞こえ」のセルフサポートはどうあるべきなのかを考えてみたい。聞こえにくい人たちのセルフヘルプのあり方はどんなスタイルであればいいのだろうか。 現状の問題点見過ごされやすい軽度の人ほど、簡単に周りから孤立してしまう。 メンタルケアを必要とする傾向が強い。聞こえにくい自分をあきらめてしまっている人、不利な立場が 飲み込めず自分を見失っている人が目立つ。 相談会などで適切に「聞く」「話す」ことで改善される場合が多い。 聞こえの症状(難聴)が固定した人が大半で医者からの情報提供が受けにくい。また、自分にあった 専門医に出合うチャンスがない。 補聴器や補聴周辺機器を知るための場所や機会が非常に限られている。 本人にとっては、家族間や地域での大きな問題であるにかかわらず、「聞こえ」の障害は些細なことだと受け取られやすい。 各地に当事者団体、難聴者協会はあるが一方通行の情報しか得られない。また、そこに必ずしも自分の状態にあった環境があるとは限らない。 人はそもそも難題を自分で解決できる強い意志や行動力を持っている。しかし、周りからの適切なサポートがないとうまく働かない。「聞こえ」をめぐるサポートはその方法論がないため、早急に理論の確立が望まれるのではないか。 必要だと考えられる工夫 先にセルフサポートの役割は三つあることを述べたが、こと「聞こえ」のセルフサポートは、「聞く」「話す」ことに重点を置きたい。そもそも、聞こえにくいのが障害になっているために、十分に「聞く」機会がないのが問題の元凶なのだ。「聞く」ことがそもそもどうゆうことなのか、人と人の関係においてどれだけ大切なのか。そして、「聞く」ことがどれだけ自分に大きな影響を与えるのか。これらのことを実体験し、追認する機会が必要である。参加者の話の流れや必要に応じて確実な情報提供ができるようにセッティングしていきたい。この点は主催側の柔軟な対応力が求められるのかも知れない。 進行の上で注意されるべきポイントは下記のとおりだと考える。
それでどうする 阪神リングスターズの取り組み一度、とにかく、やってみようということで当会主催で軽中度難聴者を対象にセルフサポートのプログラムを実践してみたい。プログラムの名称は阪神リングスターズ、まとまりながら一丸となって取り組もうという主旨である。 |
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